尿酸値はどうやったら増えたり減ったりするの?

さて、尿酸値が増える、減る、というのは高尿酸血症の人だけでなく、健康診断の後の結果を見て一喜一憂することのある人にとっても大問題ではあるのですが、では、そもそもどういったメカニズムで体内で尿酸は作られてしまって増え、またどうやって自然と減るのでしょうか。これを分かることで、今後の高尿酸血症への対策 – 尿酸値を何をしたら下がり、何をしたら増えるからやってはいけないのか – が見えてきそうです。

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尿酸はどうやって体内で作られるの?

物事は分析してみないと

物事は分析してみないと

まず、尿酸値が上がる、すなわち、私たちの体内で尿酸が如何にして作られ、結果として血中の尿酸濃度である尿酸値が増えるのかを見てみたいと思います。体のなかで作られるのは想像に難くないものの、でも、どうやって作られるのか、を知ることで、食生活や生活習慣への改善方法を見出すことが出来るのではないか、と期待するのですが。。。

よくいうプリン体の多いものを摂取すると、なぜ尿酸が増えるのか?

そこで、一番身近に言われる、プリン体の多いものを食べると尿酸値が上がる、というところのメカニズムを見てみましょう。

食べれば増える – 体重と一緒?(苦笑)

前回の尿酸ってそもそもなに?で書いたように、尿酸とは、プリン塩基、すなわちDNA の一部で、私たちが食生活で気にするプリン体、が代謝によって姿を変えた時の最終生成物だということでした。最終、ということですから、プリン塩基の体の中での活動のなれの果て、だということのようです。ということは、プリン体を摂取すればその分だけ体内で尿酸が生成されてしまう、ということです。

アルコールは何を飲んでも増える – プリン体フリーのビールだろうが焼酎だろうが

よく尿酸値を下げたいということでプリン体の入っていないビール、とか、ビールを回避すればいいのでは、という話が出ます。実際のところ、どうなのでしょう。データだけ見ると

品目
商品詳細
プリン体含量 (mg)
焼酎25%0
ウイスキー0.1
ブランデー0.4
日本酒1.2
ワイン0.4
ビールS社5.1
ビールE社6.9
ビールK社4.4
ビールK社 MK5.2
ビールK社 IS6.8
ビールA社 SD3.3
ビールS社 M5.3
発泡酒S社 SH3
発泡酒S社 MD2.8
発泡酒S社 B3.3
発泡酒K社 T3.8
発泡酒K社 T(生)3.9
発泡酒K社 T(G)3.6
発泡酒K社 T(プリン体カット)0.1
紹興酒11.6
地ビールO社 E12.1
地ビールO社 V6.8
地ビールO社 P10.5
地ビールU社 S16
地ビールU社 V9.7
地ビールU社 P12.3
地ビールU社 A14
地ビールM社 B16.6
地ビールM社 S11.4
地ビールM社 P14.1
地ビールM社 D11.1
地ビールI社 T8.3
地ビールI社 D5.8
低アルコールビールR社C6.1
低アルコールビールH社 H13
低アルコールビールS社 FB2.8
低アルコールビールH社 K6.5
その他の雑酒2S社 DO2.3
その他の雑酒2K社 NM1.7
ビールテイスト飲料T社 B1.3

のとおり、焼酎やウィスキー、ブランデーのような蒸留酒の方がワインや日本酒のような醸造酒に比べて格段にプリン体の量が少なく、そして、ビールや紹興酒は更におおい、というのが分かります。では、蒸留酒を飲めばいい、と言う話なのでしょうか。

アルコールの尿酸値増大のメカニズム

実は。。。アルコール摂取と分解のプロセスによってそもそも尿酸が増大し、また、アルコールの影響で尿酸の排出を阻害することも分かっています。そして、アルコールの利尿作用によって尿酸が凝縮されるということで、プリン体の有無に関わらずアルコールと言うだけでこれだけの尿酸値を上げる要素があるのです。その上、アルコールに含まれるプリン体も代謝によって尿酸になることから更に上乗せされる、というのです。

ですので、アルコールは全般的に控えねば、というのがお医者様の見解なのがよくわかりますね。。。

食べなくても増える – しかも、食べた時の増加よりも大量に、しかも自然と

さて、尿酸がDNA の一部から生成されてしまう、ということを説明していますので、ちょっと体を見回してみましょう。案外見ても分からないものの、私たちの体の中には DNAが詰まっています(というと変ですが)。私たちの筋肉とか臓器に DNAがあるのは、私たちが牛や豚、魚の肉や内臓を食べるとプリン体が多く入っている、と考えるのと同じくらい普通なことです。ということは、この筋肉や臓器が活動することで代謝が起こり、そこからDNAの一部から尿酸が出来てしまう、と言われても納得出来てしまいますね。

なお、体の中の尿酸のうち、8割が体が自然に生成したもので、2割が体外から摂取したものから生成されたもの、とされていますので、実は、食べたものに気を使ったところで影響たるや大勢に影響がない、とは言わないものの、そんなに大きな影響を与えるわけではない、とは考えられています。実際のところ、食事から摂取されるプリン体の多くは腸で分解されて体内に取り込まれることなく体外に排泄される、という研究結果があります。さらに言えば、野菜に含まれるプリン体に至っては仮に摂取しても痛風に影響がない、とまで言える研究があるそうです(なんかおかしいのですが。。。)。

運動すると、減るどころか増える – 有酸素運動と無酸素運動ではどっちがたくさん作る?

この筋肉や臓器の活動、より活発になるのは運動しているときです。しかも、有酸素運動の時よりも無酸素運動の方がより活発になりますので、更に尿酸を生成するそうなのです。どうやら、脂肪を燃やしたいから運動する、では逆効果のようです。そのメカニズム的には二つの違いはこうなっているようで。。。

運動をする時、酸素を取り込んで糖質や脂肪を燃焼させてエネルギーを生み出すものが有酸素運動、酸素の取り込みが少ない状態で体内にある糖質をより多く使ってエネルギーを生み出す運動が無酸素運動、という違いとされています。有酸素運動のほうが長時間で軽度から中程度の運動量、無酸素運動の方が短時間で高い負荷をかけて行うもの、という分け方もあるようですが、当然体の中での燃焼のメカニズムも変わってきます。

運動のためのエネルギーは、エネルギー源となるアデノシン三リン酸(ATP)が燃焼によってアデノシン二リン酸(ADP)に変わる過程で獲得され、その時の残りかすともいえるのがプリン体であり最終的に尿酸になるのです。

有酸素運動の際には、このATPからADPが生成された後ATPに再合成されることから、残りかすとして生成されるプリン体が少なく、結果として尿案の上昇が少ないのですが、無酸素運動の時は大量のエネルギーが必要となることからADPからATPに再合成されることなく使い捨てられるため、プリン体の生成も大量になることから尿酸の上昇も高くなるのです。

余談ですが、運動すると、汗、かきますよね。そうなると体内の水分が減りますと、いろいろなものの血中濃度も自然と高くなります。尿酸値については当然当てはまりますので、運動すると尿酸が増え、かつ水分が減ることでさらに尿酸値が上がることになる、ということから、高尿酸血症の人は激しい運動をしてはいけない、という理由の一つになっているのです。

肥満が尿酸を増やす後押しをする – だから痩せろってお医者さんは言うんです

さて、運動も質を選び、かつ比較的痩せることに寄与しなさそうな運動が尿酸値を上げないようにするためのキーになりそうなのですが、その一方で、運動量が減れば確実に太りそうですよね。なんとこの肥満が尿酸を増やす原因にもなる、といったらどう思うでしょう。

というのも、肥満傾向になるとインスリンの過剰分泌が起こり始めます。このインスリンの過剰分泌が起こり始めると、腎尿細管におけるナトリウムの再吸収を増加させることになり、これが尿酸排泄を低下させる、すなわち体内に尿酸を留めさせてしまう、というのです。これは、次の尿酸を減らす、というところを読んだら分かりますがかなり問題のある現象なのです。。。

尿酸はどうやったら減るの?

実はこれは単純です。尿で体外に排泄する。これだけです。

お願い、体外にお届けして!

お願い、体外にお届けして!

というのも、最終化合物であることから、これを運動をしようがなにをしても他の形に変わることはないですから、体外に出す以外ない、のです。

そこでお医者様はこういいます。

一日2リットル水を飲みましょう。

その真意は、まさに、尿として出すほかないのだし、水分が減ることで血中濃度も上がる訳ですから水分は常に摂取することでまずは尿酸値の計算の分母を増やせ、あと出来るだけ排尿をすることで体外に出せるものをだせ、ということなのです。理には適っていますが現実的にどうなの、というと。。。

この足し算と引き算を組み合わせて、尿酸値を下げていく方法というのは何があるの?

そうなんですよ。出口は一つという問題である以上、体重のコントロール以上に入り口の「摂取」というところに気を使う必要があるのは、幾ら食べ物からの摂取が全体の2割しか影響しない、と言われたところで、やらないよりはやった方がよいと言う話になります。他方で食べれば太る、だからいい機会だから食べるものを減らす、となれば今度は栄養失調や偏りによる問題が起こりますのでバランスよい食事をカロリー制限を掛けながら、というのが現実的なのでしょう。

また、残る8割を作り出す体の中の話に目を向けると、運動すると増える、だから運動しない、と言う解決方法は実はナンセンスなのは肥満対策、と言う観点以上に、人が何もしないでいても生命活動を行う、基礎代謝というのが起きている訳ですから、これがある以上、どうしようもないのです。むしろ無酸素運動を避けて有酸素運動を増やしつつ肥満リスクを回避しながら水分摂取と排尿による体外への排出を促す方がより現実的でリスク回避と言う意味でも正しいアプローチではあるのでしょう。

既に全部やってるよ、でも高尿酸血症なんだよ、と言う人、います。

実際、管理人も運動量は平均的な成人男性よりは多い方、ですが、まぁ、飲み食いが過ぎることから高尿酸血症ではあるものの、食事制限などいろいろ試してもダメなときはダメでした。と言うのも、遺伝により排尿による尿酸の排出がうまくいかない人、というのがいるそうでして、どうやらそれらしい、のです。こうなると、自助努力もしなければならないものの別の答えを探すことになるのです。

次の記事では、これらのメカニズムを踏まえて、何をすればいいのか、考えてみたいと思います。

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